2013.6.27 支援の質と理念

6月 27th, 2013

会期末を迎えた参議院で、生活保護法改悪案と生活困窮者自立支援法案が、廃案となりました。

両法案は、要支援者の経済状況の調査権の拡大等によって生活困窮者の生活保護申請を水際で躊躇させたり、本来あるべき当事者の意志に基づく多様な「自律」のあり方のうち、殊更「就労自立」だけが強調され、就労を果たした者のみへの便宜が図られる等、様々な問題を孕んでいます。

廃案の結果、8月から生活保護費が段階的に10%減額されることだけが決まりました。党利党略の駆け引きや政局によって末端のいのちがないがしろにされるのは、いつの世にも変わりがありません。そのような時代だからこそ、支援の質と理念が問われているのです。

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当事者不在のまま、政権による舵取りが変わる度に右往左往するような活動なのか、当事者と共に歩み続け、いのちの尊厳を取り戻していく活動なのか、支援者に厳しい自己吟味が突きつけられています。

2013.6.27 定例 ゆっくり過ごす会

6月 27th, 2013


ゆっくり過ごす会が行われ、多くの路上生活者が、スタッフ手づくりのひじき炊き込みごはん定食に舌鼓を打ち、コーヒー・新聞・映画鑑賞・無料散髪サーヴィス等で、午前中の一時を過ごしました。

ひとりひとりに声をかけ、過酷な路上生活の状況や健康状態を聞き取り、相談に応じ、錯綜した問題を整理したり、解決方法を丁寧に説明して伴走を約束しました。

どんな小さな訴えであっても一言漏らさず持ち帰り、当事者の声に最大限応えられるような活動方針を策定するように心がけています。

2013.6.26 靴がない

6月 26th, 2013

「昨晩、寝ている間に靴を盗まれてしまった。やむなく裸足で歩き回っているが、足が痛くて仕方がない」という当事者からのSOSの電話が早朝にあり、靴下と靴を準備して待ち会わせ場所に出向き、手渡しました。

支援活動で提供された新しい靴を枕元に置いて、寝袋で寝ていたところ、持って行かれてしまったそうです。靴なしで歩き回った末に、靴下は真っ黒になり、足の裏には小さな傷が無数にできていました。

支援活動ごとに、必要に応じて希望するサイズの靴を提供しているため、当事者の仕業とは考えにくく、通りがかりの者による悪意のある嫌がらせの可能性があります。

生活困窮者を生み出す背景や構造的な問題を理解することのできない発想の貧しさが、こうした破廉恥な行為に現れて来ています。

悪戯や嫌がらせで異質な者を排除しようとする社会では、その矛先が最後には自分にも向かって来ることを、歴史から学び取るべきです。

ホームレス聞き取り調査

6月 25th, 2013

5月4日、仙台市内の路上生活者を含む不安定居住者45名を対象に、仙台夜まわりグループによる、30項目に及ぶ大掛かりな聞き取り調査が行われ、路上、車上・ネットカフェ等の不安定居住の実態が判明しました。

平均年齢は、54.8歳。50〜60歳代が61%を占めますが、30歳代〜40歳代という実質稼働年齢の当事者が31%と増加傾向にあります。

出身地は、仙台を含む東北地方が70%、残り30%は関東・関西・中国・四国・九州で、以前に比べ他県出身者が明らかに増加しています。最終住所地は、関東・四国・九州で30%、仙台市内での路上生活の期間も一ヶ月内・三年未満で58%を占めています。

さらなる精査が必要ですが、東日本大震災後、復興関連の仕事を求め、全国各地から東北にやって来たものの、不安定就労で路上生活に陥ってしまった事例の多さが数値に反映されているものと考えられます。

寝ている時に物を投げつけられたり、絡まれたりすることがあるという回答が33%もあり、路上生活者への偏見と、不満を弱者にぶつける歪んだ憂さ晴らしが、仙台でも横行していることが分かります。官民一体となった人権啓発活動が必要です。

これからも継続して聞き取り調査を実施し、生活困窮者の背景や動態を分析した上で、さらなる支援活動の展開や伴走業務に有効に生かしていきます。

2013.6.24 定例 衛生改善事業

6月 24th, 2013


仙台市から委託されているシャワー提供事業が行われました。蒸し暑い中、多くの当事者がシャワーと洗濯のために集まりました。

参加者は、シャワーの順番を待つ間に、スタッフが用意した特製プレート定食を食べ、冷たい麦茶やコーヒーでくつろぎました。

ここ数ヶ月間のうちで初参加者が最も多く、新品の下着セットを提供し、支援スケジュールを手渡しながら、路上に陥った事情を聞き取り、今後も継続して支援していくことを約束しました。

2013.6.22 定例 公園炊き出し

6月 22nd, 2013



定例のカレーライスの炊き出しが行われ、ヴォランティアを含め、約70名が五橋公園に集まりました。

NPOが運営する食堂で青森から石巻にかり出された後、雇い止めになり、路上生活を始めざるをえなかったという60代男性や、塩竈の福祉事務所から紹介されて来た車上生活をしている20代青年をはじめとして、新顔が沢山やって来ました。以前仙台で路上生活をしていて、一関の復興事業のため、ネット喫茶から現場に通っていたが、仕事がなくなって戻ってきた青年もいました。

季節の変わり目で、数が揃っていなかったために、夏物衣料の提供ができませんでした。今回は下着や、ボンベ、インスタントラーメン、白米、靴などの生活物資を配布しました。

下着以外は新品でなくても、洗濯してあれば、古着の需要が沢山あります。夏物衣料のご提供を、どうかよろしくお願い申し上げます。

2013.6.22 定例 有償清掃ヴォランティア

6月 22nd, 2013

早朝から、当事者による有償清掃ヴォランティア作業が行われました。市内中心部に集合した参加者は二班に分かれ、繁華街を清掃して回りました。タバコの吸殻などの小さなゴミも拾い、大量のゴミを集めることができました。この活動は仙台市から一部助成をいただいています。

清掃後にお茶で一息ついている参加者全員に、昼から行われる炊き出しをアナウンスしました。

2013.6.20 定例 ゆっくり過ごす会

6月 20th, 2013


梅雨の合間の晴天のもと、みやぎNPOプラザを会場に、ゆっくり過ごす会を行い、多くの路上生活者が集まりました。参加者は、ひじきご飯定食で空腹を満たし、新聞・雑誌・映画鑑賞・無料散髪サーヴィス等でしばらく過ごしました。

行政施設や関連NPOを経て、就労的自立をしたものの、雇い止めの末、再び路上に陥ってしまった当事者からの相談が続いています。

不安定就労・不安定居住で名ばかりの自立とするのではなく、長期的展望をもって当事者が自分自身で人生設計を立てていけるような相談・伴走の仕組みが必要不可欠です。

2013.6.19 定例 夜まわり

6月 19th, 2013


週末に行われる公園炊き出しの情宣も兼ねて、路上生活者安否確認のため、仙台中心部の夜まわりを行い、沢山の新顔に出会いました。

北海道から出てきた20代男性や、関西から出てきた50代男性、被災地で復興事業に出かけていて仙台に戻ってきた男性など、事情は様々ですが、梅雨入りして、現場の仕事が無くて、仙台にやってきてしばらくたって底尽きになって助けを求めてきた人ばかりでした。

それぞれ、事情を聞き取り、支援スケジュールを手渡し、自律のために伴走していくことを約束しました。

2013.6.17 定例 衛生改善事業

6月 17th, 2013

仙台市から委託されている衛生改善事業が行われ、多くの当事者が参加しました。参加者は順番にシャワーを浴びて、洗濯を行いました。初参加者が数名おり、新しい下着のセットを提供しました。

参加者は、シャワーを待つ間、スタッフが用意した特製シチュー定食を食べ、束の間の休息を取りました。