火葬立会い

4月 5th, 2011

陸の孤島になっていた故郷に自衛隊が入ったのとほぼ同時に入り、燃料が入手困難な時に車を手配して日参し、避難所では会えなかった母親を自分で被災現場で見つけ出し、手を尽くしてなんとか市外の火葬場を押さえ、発見後17日目にしてやっと火葬にこぎつけた女性に立ち会いました。

斎場では燃料不足を理由に遺品をお棺に入れることが禁じられ、未だ赤く焼け続けているのに残った亡骸の一部が鉄のバケツに捨てられ、焼け切らず嵩の多いままの骨が遺族の目の前で釘を拾う磁石で乱暴に潰され、無理やり骨壷に収められていました。

終業間際の火葬でした。行方不明になっている人たちがたくさんいることを考えれば、亡骸を見つけられただけでも良かったと言うべきかもしれません。職員の連日の疲労も超過勤務したくない気持ちも分かります。しかし時間短縮のために早く亡骸を炉から取り出すようなこと、死者と遺族の尊厳を損なうことが連日行われていることを思うと、悲しみを越えてやり場のない憤りさえ感じます。